2021年流行語トップ10発表!
中国の語言文学雑誌「咬文嚼字」編集部、「2021年流行語トップ10」を発表した。今年は
「百年未有之大変局 bǎi nián wèi yǒu zhī dà biàn jú (百年間なかった大変動)」
「小康 xiǎo kāng (ややゆとりのある)」
「赶考 gǎn kǎo (力試し)」
「双減 shuāng jiǎn (ダブル負担軽減)」
義務教育段階にある学生の宿題と学習塾の負担軽減の略称として「ダブル負担軽減」という言葉が使用されており、小中高生の負担が重すぎるという問題に焦点を絞っている。現在、「校内の負担は軽減する一方で、校外の負担が増加している」という現象が際立っており、多くの青少年の身心の健康に深刻な影響が及んでいる。
「碳達峰 tàn dá fēng (二酸化炭素<CO2>排出量ピークアウト)碳中和(カーボンニュートラル)」
「野性消費 yě xìng xiāo fèi (ワイルドな消費)」
去年7月、河南省は大規模な洪水に見舞われた。その際、中国のあるスポーツメーカーが5000万元(1元は約17.7円)相当の物資を寄付し、復興を陰ながら支えた。それを知って感動したネットユーザーたちは、ライブコマースを通して次々に同メーカーの商品を購入し、この思いやりに満ちた企業を応援する気持ちを示した。その時、ライブコマースのパーソナリティーが「理性的に消費するように」とアドバイスしたところ、弾幕を通して、ネットユーザーから「私はワイルドに消費したい」というコメントが返ってきた。中国語の「野性」とは、ワイルドな性質を表しており、「ワイルドな消費」とは、つまり何にも縛られず消費することを指す。
「破防 pò fáng (ガードオファ)」
心を傷つけられ、悲しくなったり、つらくなったりした時や心が揺り動かされて共感を覚えたり、感動した時などに、「ガードオファ」されたと使うことができる。
「鶏娃 jī wá (親が子供に詰め込み教育すること)」
中国にはかつて「打鶏血」という、精をつけるためにニワトリの血を注射するという民間療法があった。ただ、科学的根拠に基づいていなかったため、その療法は早々と姿を消した。しかし、「打鶏血」という言葉は今でも、興奮して鼻息を荒くしている人をからかったり、皮肉ったりする時によく使われており、「クレイジー」や「すっかり夢中」といった状態を指すようになっている。近年、進学をめぐる競争が非常に熾烈で、スタート地点で後れを取りたくないと考え、子供を塾に行かせたり、幾つも習い事をさせたりする保護者が増加している。こうした「クレイジー」な教育スタイルが、まるで「子供にニワトリの血を注射するようなもの」と揶揄されるようになり、それを略した「鶏娃(親が子供に詰め込み教育すること)」という言葉が誕生した。
「躺平 tǎng píng (寝そべり現象)」
「寝そべる」というのは本来、「横になって休む」という意味だったが、現在では「何もしない」や「抵抗しない」、「頑張らない」といった生活態度を指す時に使う人が多くなっている。そして、こうした生活理念を抱き、様々なストレスに対して、「寝そべる」ことを選ぶ人たちを「躺平族(寝そべり族)」と呼ぶようになっている。ただ実際には、「寝そべる」若者の多くが、本当の意味で「何もしない」というわけではなく、現在の生活における極めて大きなストレスや「内巻(閉鎖的な環境で内部の激しい競争に巻き込まれる状況)」に対して、自嘲的に抵抗しているに過ぎない。「躺平族」も、「寝そべる」ことで「勝てる」と思ってはおらず、ただ今日は「寝そべる」ことで、エネルギーを充電して明日にはもっと元気に頑張ろうとしているのだ。若者は、「競争」に対して理性的な見方を抱き、プレッシャーにも積極的な態度で対応し、決して諦めることなく、夢と将来のために一生懸命奮闘しなければならない。
「元宇宙 yuán yǔ zhòu (メタバース)」
が選ばれた。