「緊急事態宣言」の東京で中華料理店が無償で弁当提供
「緊急事態宣言」発令中、東京のある中華料理店が毎日、無償で弁当を提供してきたというニュースが最近、日本の華人の間で大きな話題となっている。同店はこれまでに、合わせて2万食の弁当を提供し、新型コロナウイルスが猛威を振るった東京に、温かい感動をもたらし、自分にできる限りのことをして、社会的責任を最大限果たし、積極的に現地の政府や人々と共に新型コロナウイルスと闘うという、在日華人華僑の善意を示した。人民網の東京に駐在する記者がこのほど同店の店長で、弁当無償提供の発起人である李星海さんを取材した。人民網が報じた。
コロナ感染流行下で奮闘する人々を励ますため無償で弁当提供
中国遼寧省出身の李さんは日本で暮らして既に22年。長年の努力が実を結び、2013年に中華料理店をオープンさせた。店の経営が少しずつ軌道に乗り、李さんは東京で2店舗を持つようになった。そして、そのうちの1軒である東京都墨田区錦糸町にある中華料理店で今回、毎日、無償で弁当を提供した。
身体障害者が優先して受け取ることができるよう手配
李さんは始め、周りで働いている人や住民を対象に無償の弁当を提供していたものの、しばらくするとホームレスや身体障害者なども来るようになったという。「毎日弁当を受け取りに来る人の中に、ホームレスもたくさんいた。また特別に組織立てて受け取りに来る身体障害者もいた。それは僕の『計画外』であったものの、新型コロナ流行という特殊な時期に、一番保障がない人たちだと思って、弁当にできるだけたくさんおかずを詰め、彼らがお腹いっぱいになるようにした」と李さん。さらに、店は2階にあり、身体障害者は上がっていくのが難しいため、李さんは毎日、従業員たちを連れて1階に降りて身体障害者に優先して配るよう手配したという。
感動した日本人から感謝の手紙が続々と届く
メディアを通して、李さんが「緊急事態宣言」発令中、毎日、無償で弁当を提供していることを、すぐに多くの人が知るようになった。日本の多くの人々は感動し、李さんのもとにはたくさんの感謝の手紙が届くようになったほか、応援金や食材を提供する人もいたという。これは、李さんにとっても非常に大きな励みとなったことは言うまでもない。
李さんによると、弁当の1日当たりのコストは8万円以上。それでも、毎日長蛇の列を作って弁当を受け取りに来る人々や全国各地から送られてくる応援の手紙、応援金を見ると、みんなの期待に応えるために、絶対に続けたいという決意が強まった。そして、政府の飲食業者への補助金を申請したり、自身の貯金を使ったりして、約2ヶ月間、毎日、無償で弁当を提供した。
日本は5月25日に「緊急事態宣言」を全面解除したものの、その後も数日間は弁当を提供してほしいという声が多く寄せられたため、気前のいい李さんは喜んで承諾。李さんは、「自分が頑張ることで、周りの人が自信、希望を持てるようにしたい。そして、ここにいる全ての人がどこから来た人であっても、この大変な時に一緒に固い決意を抱いて立ち続け、一緒に困難を乗り切ろうとしているのだということを知ってもらいたい」と熱く語った。(編集KN)
「人民網日本語版」